コラム:デザイン道(どう)でしょう No.2  なぜ、経営活動にデザインマネジメント?

(メルマガvol.13)

コラム:デザイン道(どう)でしょう No.2
◇高原理事メッセージ!なぜ、経営活動にデザインマネジメント?


HDMF理事の高原です。
当会ではデザインを戦略的に活用し、経営課題の解決に貢献する、そのための様々な考え方や活動をデザインマネジメントと位置づけ、実践技術の習得や新たな可能性の探求などをねらいに活動をしています。
今回のコラムでは「なぜ、経営活動にデザインマネジメントを取り入れた方がいいのか?」これを改めて考えてみたいと思います。

突然ですが新興国、勢いありますよね~。中国、インド、中東、アフリカなどの様子がメディア等を通して伝わる機会も多いかと思います。現在、これらの地域では大量のモノが消費されています。この背景にあるのが、人々の抱く欲求、好きなモノ、便利なモノを手に入れたいという物欲と、人が持っているモノを自分も同じように持ちたいという同調欲求、これが強く影響しているようです。このような消費欲求が支配的な市場では、同じモノをなるべく安く大量に生産する会社が勝つでしょう。

一方、先進国では不便や不満が解消されてくると、人々の欲求は、むしろ人と違うモノを持ちたい、注目されたい、負けたくない、といった欲求にシフトしています。そうなると、消費者は不便の解消、使いやすさの向上など機能的な価値に加えて、好みにあった外観や手触りの良い質感など感性的な価値で商品を求めるようになります。日本のような成熟した市場では「機能的価値+感性的価値」がないと商品は売れにくくなっているのです。
消費者が求めているこの2つの価値について適切なあり方や提供方法を構想し、具体的な姿や仕組みへとまとめ上げる活動がデザインです。

例えば、デザインがいいとかジョブズに憧れてアップル、というような感じでiPhoneが「あっ」という間にシェア獲得しました。この背景には、デザインの活用が重要な役割を果たしたと言われています。iPhoneの売上要因のすべてが優れたデザイン活動にあるわけではないですが、明らかに他社と一線を画す戦略的なデザインの活用が、成功要因の中核を成していたかと思います。
具体的には、新商品お披露目の場「キーノート」、商品がもたらす生活をシンプルに表現した広告、心地よい店舗空間「アップルストア」、製品との対面を演出する「パッケージ」、シンプルで高品質な「プロダクト」、徹底的に作り込まれた「インタフェース」、様々なサービス「iTunes、App Store、iCloud」。これら「顧客とのあらゆる接点」のデザインを通じて、顧客が味わう一連の体験の魅力化を図っています。
アップル以外にもデザインを明らかに意識し戦略的に活用した商品等が、大手企業に限らず多くの分野で出てきており成功を収めています。これらから見えてくるのは、日本市場や成熟した市場でビジネスを成功させるためには、経営活動の中にデザインの戦略的な活用を取り入れるノウハウであるデザインマネジメントの導入が大切だと言えます。

HDMFでは、デザインマネジメントの大切さやエッセンスを、我々のメンターでもある山村先生の成功事例を通じて学ぶ「山村塾」を今期から試行的に開始しました。デザインマネジメントを学ぶ道場としての「山村塾」、今後の本格開催を是非ご期待下さい!

皆様、「経営×デザイン」、どうでしょう!これからますます大切です!

(HDMF理事 高原永磨)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です