HDMF理事、株式会社ファシオネの村上です。
6月23日、札幌市デザイン活用型製品開発支援事業（以下、本事業）オープンセミナー「伝わる」モノづくりセミナーが開催されました。
私は主催者側としてかかわらせていただいておりますので、裏方目線で本事業のご案内も含めてレポートいたします。
セミナー内容は、１．基調講演、２．トークセッション、３．本事業の説明、の3本立てで、トータル3時間が「あっ」という間に過ぎ去りました。それほど引き込まれる内容でした。
第一部の基調講演は、2014年グッドデザイン大賞を受賞している株式会社デンソーより、丸い眼鏡がチャームポイントのデザイン部長、名木山景氏をお迎えし、「ものづくりを正しく整え、正しく伝える企業デザイン」をテーマとしたお話をしていただきました。
みなさん、インターネットでキーワード「デザイン部」と入力して検索してみてください。なんと、「デザイン部」としか入力していないのに、「デンソーデザイン部」が最上位にでてくるではありませんか！！星の数ほどの企業にデザイン部があるのに、これは素晴らしい！
ホームページによるとデンソーは、先進的な自動車技術・システム・製品を提供するグローバルな自動車関連部品メーカーです。
名木山氏の講演では、デンソーにおいてデザインは２つの大きな役割がありました。まず「ものづくりを正しく整える」。部品の機能を整理して徹底的に無駄をそぎ落とすことで自然に生まれる高品位なカタチへ導くモノづくり。そして「正しく伝える企業デザイン」。これは「うちの会社ってこうだよね！」と話し合いながら企業風土を整理し、モノだけでなく企業風土もミックスして自社の魅力を正しく伝える活動。これらの活動についてさまざまな実例が紹介され、最終製品を作っていない部品・加工メーカーでもデザインが力を発揮する余地は十分にある！ということを教えていただきました。
第2部のトークセッション「デザインを活用したものづくりって何だろう？」には、第1部で講演頂いた名木山氏、ＨＤＭＦの理事を務める道総研の日高氏、本事業のプロデューサーである株式会社ファシオネの登（ノボリ）氏が登壇しました。
実はこのセッションの2週間ほど前に、三人はデンソー本社がある名古屋へ集合し、打ち合わせを行いました。ここでデザインという共通言語と三人のオールウェルカムな人柄のおかげで、すっかり打ち解けてがっちりと兄弟の契りをかわしたのでした。
準備万端で望んだトークセッションは、リラックスムードの中で話がはずみ、予定時間を大幅にオーバーする充実した内容となりました。
トークセッションは登氏の質問に名木山氏、日高氏が答える形で進行。「正しく整える技術を身につけるには何を学べばいいの?」、「どんな良いものを、どうやって」生み出して事業にしたらいいの?」といった名木山氏の講演さらに掘り下げる興味深い内容でした。そして最後の質問は「デザインとは何をすること？」・・・これはデザイナーでも一言にまとめるのは難しい質問です。
トークセッションの全てを紹介したいのですが、100ページの超大作になってしまいそうなので、最後の質問の回答をご紹介します。。
Q ：「 デザインとは？」
名木山氏Ａ：デザインとは「清く・正しく・美しく」整える、そして、もとからあるものを自然に表すこと
日高氏Ａ：デザインとは「もったいない精神&エンターテイメント」
・・・・なるほど！
結びはプロデューサー登より、キッコーマンの醤油瓶や書籍「幕の内弁当の美学」を例にとり、日本の文化や風土を大切にして社会の課題を解決するようなモノづくりは最高だ！との話で終了しました。
近年、デザイン思考という手法が流行し、デザインは色やカタチじゃない、という言葉をあちらこちらでききますが、今回のセミナーでは、企業の風土や地域の文化や素材を整理して、さらに色やカタチを「清く正しく美しく」整えることが、こんなにも社内のモチベーションをアップさせ、それをありのまま正しく発信することで外部の認知度も高まっていくのだと気づかせてくれました。
左より登氏、日高氏、名木山氏
さて、札幌市デザイン活用型製品開発支援事業では、このセミナーに引き続き札幌市内の企業を対象に、デザインを活用した製品・サービスの開発支援を行うことになっており、6月23日より参加企業の募集が始まっています。
http://www.sec.or.jp/other/782.html
もし「支援に興味があるけど、うちの企業は対象になるのか？」、「今かかえている課題はデザイン支援で解決できるのか？」、「支援事業についてもう少し詳しく話をきいてみたい」といった疑問や要望がある方には、メール、電話、または企業訪問によるご相談をお受けしています。
下記のアンケート調査票にその旨をご記入の上お送り頂ければ、担当者よりあらためてご連絡をさしあげます。
たくさんのお申し込みをお待ちしております！
アンケート調査票 ＵＲＬ
http://www.sec.or.jp/wp/wp-content/uploads/2015/04/%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%A5%A81.pdf
【お申込み・お問合せ先】
ＦＡＸ：０１１－８１５－９３２１
ＭＡＩＬ：ibcenter@sec.or.jp
一般財団法人 さっぽろ産業振興財団 産業企画推進部
担当：松下、村本（ＴＥＬ：０１１－８２０－２０６２）
（HDMF理事 村上）