#6では消費社会での工業デザイナーについて取り上げました。
現在でも「デザインで売れるものを!」という考えはよく見られますが、
そういったとき、「デザイン=色・形」という考え方に囚われてしまいがちです。
その状況にヴィクター・パパネックが警鐘を鳴らしました。
1971年に書かれた「生きのびるためのデザイン」では、
経済活動以外のデザインや、買えない人のためのデザインを
デザイナーはもっと考えるべきであると述べられています。
例えば発展途上国などでは、さまざまな不便の中で人々が暮らしています。
そこで、遠くから水を運ぶために転がせるタンクにしようとか、
電気が通っていないところでの生活用あかりとは?などを考えることも必要です。
売れるというだけでなく、問題を解決して明るい未来につなげることを、
ものづくりの時には忘れないようにしたいですね。
(つづく)